如来

如来とはインドの言葉で「タターガタ」と呼ばれ、簡単に言うと悟りを開いた仏様のことになります。如とは真理を意味していることから、真理に到達してそれを教えに来たという意味です。

如来のモデルになったのは、仏陀(ブッダ)となった釈迦になります。

釈迦とは
2千数百年前のインドの一部族、釈迦族から生まれた「ゴータマ・シュダール」という実際の人物がお釈迦さまです。釈迦は29歳で出家をし、6年間の修行の末「仏陀」となって45年間もの長い年月を、人々の悩みを救うために旅をします。

仏像には「如来」や「菩薩」など位に分けられており、私たちはこのすべてを仏様と言っていますが、実際には如来だけが仏様になるのです。

仏教の教えが広まるにつれて、「共に救われようと志す」考えが広まっていきます。この教えを「大乗仏教」と良い、大乗仏教の教えに伴って、仏陀となったのは釈迦だけではないのではないかと疑問から、釈迦以外に6人の如来(仏様)が考えだされることになります。この考えを「過去七仏思想」と呼びます。

太宰府市戒壇院の廬遮那如来

釈迦如来像(しゃかにょらいぞう)

仏陀となった釈迦を元にして作られたのが釈迦如来の仏像です。「お釈迦様」と言っているのはこの釈迦如来のことを指しています。釈迦は紀元前6世紀に現在のネパールに存在した実在の人物です。

釈迦如来の仏像は、釈迦の生涯を表しており、誕生から死を迎えるまでに6種類の釈迦如来の仏像が存在します。

誕生仏像
釈迦の誕生を表現した仏像。
転法輪印像
釈迦が悟りを開くところを表した仏像。
施無畏印像
人々の恐れや不安を取り除くとされる仏像。
与願印像(よがんいんぞう)
人々の願いを叶えるとされる仏像。
禅定印像(ぜんじょういんぞう)
悟りを得るとされる仏像。
涅槃像(ねはんぞう)
釈迦が死を迎えようとするところを表した仏像。

上記のように、釈迦如来の仏像は釈迦の生前から死までを表したさまざまな種類の仏像があります。

釈迦如来の仏像の特徴は、衲衣をまとい、髪は螺髪(らはつ)と呼ばれる髪型で、眉間には「びゃくごう」と呼ばれる巻き毛があり、首には「三道(さんどう)」と呼ばれるしわがあります。

また、両脇に普賢菩薩文殊菩薩観音菩薩虚空蔵菩薩などを従えています。一般的には普賢菩薩と文殊菩薩を従えています。

阿弥陀如来像(あみだにょらいぞう)

阿弥陀如来とは、無願の寿命をもった、慈悲の光をもったあの世である西方浄土をつかさどる仏様です。無限の光明で人間を永久的に救ってくれると考えられる阿弥陀如来。どのような人間でも阿弥陀如来に願うと極楽浄土できると信じられ、大変人気がある仏様です。

『南無阿弥陀仏』には「阿弥陀如来さま、宜しくお願いします」などの意味があります。この言葉を唱えることで、あの世での安らぎを与えてもらえるとされています。阿弥陀仏は、「五劫」という長い間修行と共に、四十八願を立て、人々を根底から救いたいと修行に立ち向かっていくことで西方極楽浄土への悟りを阿弥陀如来として開くことができたのです。

平安時代以降には、阿弥陀如来が往生した人を迎えにくるときに9通りの迎えかたがあると考えられるようになります。これを「九品往生」と言い、上品上生が最高ランクで、下品下生が最低ランクにわけられ、それぞれの手の組み方も考えられてます。

阿弥陀如来も釈迦如来と同様な姿をしており、両脇には観音菩薩と勢至菩薩を従えているのが一般的です。

薬師如来像(やくしにょらいぞう)

薬師如来は、人間の病の苦しみなどから救ってくれる仏様です。薬師如来という名のとおり薬によって病を取り除いてくれる仏様で、阿弥陀如来とは違って、死んだあとではなく、生きているうちにご利益をもたらしてくれる「現世利益(げんぜりえき)」が薬師如来の特徴です。

薬師如来は修行時に十二の大願を立てたと言われております。「願」とは、悟りを開いたときのやるべき目的なようなものです。

薬師如来像をみると左手に薬壷を持っていますが、薬師寺の薬師如来は薬壷を持っていません。この理由は解っていません。最も古い薬師如来像は、法隆寺の薬師如来像が上げられます。この薬師如来像は、聖徳太子の父の病気を治癒してほしいと願って創られてものになります。

生きている人間を守ってくれる薬師如来には、薬師如来の願いを叶えるための守護神として十二神将と呼ばれる神が護衛してます。

大日如来像(だいにちにょらいぞう)

大日如来は仏全体をまとめる如来です。7世紀頃よりさまざまな仏像が創られていき、すべての仏を統一する仏が必要とされ、新たに生み出されたのが大日如来です。

大日如来は「摩訶 廬遮那如来 」と呼ばれ、廬遮那如来を進化させ、さらに広い範囲に光を照らすことができる仏様になります。仏様の頂点と言う訳です。

大日如来の特徴として、如来ではめずらしく冠をつけ、首飾りや胸飾りをしていることです。また、大日如来には、金剛界大日如来と胎蔵界大日如来があります。

金剛界大日如来
金剛のように固い意思の強さを表している。
胎蔵界大日如来
母親が胎児を思うやさしさを表している。

もう一つの特徴として、金剛界大日如来の「知拳印」と呼ばれる印を結んでいることです。この結びは大日如来特有の印で、ほかの仏や菩薩などではみることができません。

廬遮那如来像(るしゃなにょらいぞう)

廬遮那如来は、すべての如来をまとめる如来です。釈迦の死後に出てきた疑問を解決するために「過去七仏思想」を考えだし、その疑問を解決する仏様です。多くの如来は、廬遮那仏が姿を変えたものと考えることになります。

これは、釈迦が廬遮那如来の化身であって、廬遮那如来こそが永遠の真理という仏教の教えを人格化した法身仏と考えられます。

廬遮那如来は、インド語で「太陽」という意味になり、常に中心となってあたりを照らし続けていいます。廬遮那如来が教えを広める範囲は、太陽系の1兆個というとてつもなく広い範囲です。これは、「梵網経(ぼんもうきょう)」に詳しく書かれています。

廬遮那如来像で有名なのが奈良の大仏です。広大な範囲に教えを広めることから巨大な仏像になってのではないかと考えられています。

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